『スパゲティコード・ラブ』

丸山健志監督の『スパゲティコード・ラブ』を観た。

大変良かった。MVを多く手がけている監督の作品でスタイリッシュな映像がまず魅力的だった。 あれほどガチャガチャウェイウェイしてないが『チワワちゃん』を思い出した。

ストーリーも悪くない。タイトルに反して「解読不能」ということはない。愛・承認・執着・利他性・夢・etcといったテーマに沿って、複数のキャラクターの物語が丁寧により合わされている。

一部のキャラクターがこれ以上やると類型的というか、風刺・スケッチになってしまいそうで冷や冷やする所がある(パワハラの場面等)が、そこは一本芯が通ってるので大きくブレない。

演者で知っているのは最近『ドライブ・マイ・カー』で見た三浦透子だけだった。カメラマン役の俳優が、愛嬌的なものに説得的に演じていて良かった。

「東京に生きる若者たち」とまとめられがちだが、少年~中年の登場人物が年代ごとに特徴的に描かれていると思う。概して少年少女は空想的な未来を見ており、中年はどこにも行けない行き詰まりを感じている。